北海道HOKKAIDO

手付かずの自然が残る、雄大な土地

日本の最北端に位置する北海道。面積は約83,424㎢もあり、国土の2割以上を占めています。広大な土地には手付かずの自然が残されており、全国の自然林のうち6割近くが北海道に分布しているほど。純白の雪景色や夏場に姿を現す高山植物など、北国ならではの景観に惹きつけられて、国内外から多くの観光客が訪れます。
2つの火山帯に属しており、火山が多いのも北海道の特徴です。映像に現れる美しい雪山は、頂上に周囲約2kmの火口をもつ羊蹄山。その姿が富士山に似ていることから「蝦夷富士」とも呼ばれています。かつての激しい噴火で大量の火山灰を降らせたため、山裾には肥沃な土壌が広がっており、今では一大畑作地帯に。ジャガイモをはじめ、多くの農作物が育てられています。

農業と工業。日本を支える北海道の産業

道内には、火山の活動によって生まれたカルデラ湖も点在しています。約11万年前の噴火でできたとされる洞爺湖もそのひとつ。湖の中央には、周囲の環境から隔絶された無人島「中島」が顔を出しています。島内に多く暮らすエゾジカは、独自の生態をもっているそうです。
豊かな自然や広々とした農地が広がる一方、北海道では工業も盛ん。道内有数の工業都市である室蘭市には、鉄鋼や造船、重化学などの工場が林立しています。リアライズトレーラーが走っているのは、そんな室蘭のシンボルである白鳥大橋。全長1380m、構想に40年かかったという東日本最大の吊り橋です。背景には、煙突から水蒸気が噴き出す工業地帯の風景を収めました。

「育てる漁業」の代表・ホタテの養殖

北海道の魅力を語るうえで、海の幸を忘れることはできません。海面漁業・養殖業産出額は全国1位。もともとは「獲る漁業」が盛んでしたが、近年では「育てる漁業」への転換が図られています。
なかでも代表的なのが、ホタテの養殖。北海道南西部の噴火湾では、稚貝を海中に吊り下げて育てる「垂下式」での養殖が行われており、冬から春にかけて旬を迎えます。撮影したのは、いぶり噴火湾漁業協同組合豊浦支所。まだ夜も明けないうちから大量のホタテが水揚げされ、すぐに洗浄と選別が行われていました。漁師さんに見守られながら2〜3年かけて大きくなったホタテは、肉厚で柔らかく、甘みもたっぷり。新鮮なうちに全国へ発送されていきます。