「国のまほろば」とうたわれた古の首都

奈良県は、日本のほぼ中央に位置しています。県北西部の奈良盆地は、京都に遷都するまでの長い間「国のまほろば」とうたわれる政治・文化の中心地でした。
1300年以上経つ現在でも県内には数多くの文化財が残っており、国宝に指定された彫刻と建造物の保有数は日本一。さらに国内の世界遺産のうち、3件は奈良県にあります。映像にあらわれる東大寺も、世界遺産「古都奈良の文化財」のひとつ。境内の大仏殿には、「奈良の大仏」として知られる盧舎那仏坐像が安置されています。

奈良に藤原京や平城京が置かれていた時代には、東アジアとの交流が活発であったといわれています。交易において重要な役割を果たしていたのが、映像に登場する大和川。奈良と大阪にまたがって流れる川で、大阪湾へと注いでいます。
記録によると、遣隋使の小野妹子は、来日した裴世清とともに大和川をさかのぼって飛鳥の宮へ入ったのだそう。聖徳太子が築いた世界最古の木造建築・法隆寺も大和川の北側に位置し、交通の要衝であったことがうかがえます。

神社仏閣の建造に欠かせない吉野木材

今回の映像でクローズアップしたのは、吉野木材の伐採・加工風景。吉野川流域というと桜が有名ですが、スギ・ヒノキの林業が盛んな土地でもあります。豊臣秀吉が築いた大阪城や伏見城にも、吉野の木材が用いられました。
吉野木材の特徴は、幹の上部と下部の太さが極端には変わらず、年輪幅が緻密かつ均一であること。形は正円に近く、節も少ない高級材です。神社仏閣の建造・修復にも欠かすことができません。
伐採の様子は、豊永林業株式会社の仕事を撮影しました。吉野地区を中心に、植林から保育、伐採、搬出まで行っている企業です。樹齢100年以上のスギが伐り倒される瞬間は迫力満点でした。
木材を加工する様子は、吉野銘木製造販売株式会社で撮影。木材の調達や製材、建築を行っている企業で、平城宮跡の第一次大極殿や朱雀門にも納材しています。今では数少なくなった銘木のプロが、真剣に木と向き合う姿を捉えました。