雪をいただいく神々しい連峰が、県のシンボル

富山県は、県土の三方が急峻な山岳地帯に囲まれています。東にそびえているのは、3000m級の高山が連なる立山連峰。県内各地から見られる富山のシンボルであり、古くから信仰の対象とされてきました。
能登半島の付け根に位置する白砂青松の雨晴海岸からは、富山湾越しにこの山並みを望むことができます。源義経が奥州へ落ち延びる際に、雨が止むのを待ったという歴史ある土地で、これほどの高さの連峰が海からそびえている景観は世界的にも珍しいのだそう。映像では夕日が沈んでいくドラマティックな様子を、リアライズトレーラーとともに捉えました。

万葉集の時代から要港として栄えた伏木富山港

県の北東部は富山湾に面しています。伏木地区、富山地区、新湊地区からなる伏木富山港は、能登半島に守られて風の影響を受けにくいため、古くから要港として栄えてきました。現在はロシアや中国、韓国などの環日本海諸国と、国内の3大都市圏である関東圏、中京圏、近畿圏をつないでいます。
リアライズトレーラーが渡っているのは、富山新港に架かる日本海側最大の橋・新湊大橋。2012年にこの橋が開通したことによって、年々増大するコンテナ貨物の輸送がこれまで以上にスムーズになりました。リアライズトレーラーも、この重要な物流の一端を担っています。

400年の歴史をもつ伝統工芸・高岡銅器

富山には井波彫刻や越中和紙など、優れた伝統的工芸品が多くあります。高岡市を中心につくられる高岡銅器もそのひとつ。1611(慶長16)年、2代目加賀藩主前田利長が7人の鋳物師(いもじ)を呼び寄せたのがはじまりといわれており、銅以外にも真鍮や青銅、錫など、さまざまな金属を使ったものづくりが行われています。
撮影したのは、株式会社能作での作業風景。1916年の創業当初は主に仏具や花器、茶道具などを製造していましたが、現在では食器からインテリア用品、医療機器まで、さらに幅広い製品を生み出しています。砂でつくった鋳型に溶けた金属が流し込まれ、つややかな花器が完成していく劇的な変化に目を奪われました。