日本海の荒波に削られた岩場が織りなす、壮大な景色

本州は日本海側沿岸部のほぼ中央に位置し、大阪・中京という2つの都市圏にほど近い福井県。北部から北東部にかけて広がる嶺北地域と南西部の嶺南地区とでは、地形が大きく異なっています。
嶺北地域は、標高1600〜2000m級の山々が連なる隆起した地形が特徴。石川県加賀市から県内の敦賀市まで、ゆるやかな「く」の字を描いて伸びる越前海岸には、波に浸食された断崖絶壁が切り立ち、独特の壮大な風景をつくりだしています。
なかでも映像に登場する東尋坊は、日本でも屈指の奇勝。四角形や六角形の柱状節理が海面から約25mも突き出した岩場が、約1kmにわたって続いています。

青戸の大橋の開通で、海路中心から陸路中心の生活に

切り立った岩場が続く嶺北の海岸線に対して、若狭湾沿いの嶺南地域は、細長い入江や小さな半島が複雑に入り組むリアス式海岸の様相を呈しています。
リアライズトレーラーが潮風を受けながら渡っているのは、小浜湾の入江に架かる青戸の大橋。おおい町の中心地と北部の大島半島を結ぶ、全長743mの赤い橋です。もともと半島では海路中心の暮らしだったそうですが、1974年にこの橋が開通したことで、島内を縦断する県道赤礁崎公園線や町道も整備されることに。いわばこの地域の交通のかなめなのです。
橋の西側には、「若狭富士」とも称される三角形の青葉山が鎮座しています。

「ものづくり県」を代表する鯖江のめがねフレーム

福井県は繊維や漆器、電子製品などさまざまな産業が盛んなものづくりの県でもあります。オンリーワンの技術をもつ企業も点在しており、国内・世界で高いシェアを誇る製品も少なくありません。
なかでも鯖江市のめがねフレームは、国内生産シェアが9割以上。1981年には世界で初めてチタン素材を使っためがねフレームの開発に成功し、世界的なめがね産地となりました。
撮影を行ったのは、めがねの企画からデザイン、製造、管理まで一貫して手がけている株式会社エクセル眼鏡。機能的かつデザイン性も高い新たな加工法を生み出しながら、メガネづくりを進化させています。