福島FUKUSHIMA

県内でも気候・風土が異なる3つのエリア

東北地方の南端に位置し、全国3位の県土面積を誇る福島県。南北に横たわる阿武隈高地と奥羽山脈によって、太平洋に面する浜通り、国内屈指の果樹生産地で温泉にも恵まれた中通り、会津藩の名所旧跡が点在する会津地方の3つに分かたれています。
浜通りの相馬市と中通りの福島市との間には、2004年から相馬福島道路の整備が進められていました。2021年4月には、17年の時を経てようやく全線が開通。移動時間が大きく短縮されることによる、物流の効率化や来訪者の増加、地域経済の盛り上がりなどが期待されています。まだ新しいこの道路を走っていく、リアライズトレーラーの姿を捉えました。

最高標高1622m。磐梯吾妻スカイラインからの絶景

県を代表するドライブロードのひとつが、磐梯吾妻スカイラインです。吾妻連峰を走って高湯温泉と土地湯峠を結ぶ全長約29kmの観光道路で、最高標高は1622m。その名のとおり「空を走る道」であり、見下ろせば福島の街並みが広がっています。
このドライブロード沿いには8つの絶景スポットがあり、作家の井上靖氏によって「吾妻八景」と名付けられました。映像の最後にリアライズトレーラーが渡っていくのは、そのひとつであるつばくろ谷の不動沢橋。「つばくろ」というのはツバメのことで、かつてこの渓谷では崖地に巣をつくるイワツバメが飛び交っていたそうです。谷底から橋までの高さはおよそ80m。雄大なパノラマに圧倒されました。

恵まれた気候が育てる、福島ブランドの農作物

福島は「フルーツ王国」といわれるほど、1年を通して多様な果物が生産されています。春はイチゴ、夏にはサクランボやモモ、プラム、そして秋から冬にかけてはナシ、リンゴ、あんぽ柿など。とくに吾妻連峰の麓を走る県道5号線沿いには多くの果樹園が広がっており、フルーツラインの愛称で親しまれています。
果物や野菜だけでなく、米の生産も盛ん。2020年には一般財団法人日本穀物検定協会が公表する「食味ランキング」において、浜通り、中通り、会津の銘柄がそれぞれ最高ランクである特Aに選ばれました。稲の成長が活発な7〜9月にかけて、福島では日中と夜間の気温差が大きいことが、おいしく育つ理由のひとつといわれています。