火山活動が生み出した男鹿半島の雄大な景色

東北地方の北西部に位置する、縦に長い形をした秋田県。北の白神山地、東部の奥羽山脈、南部の丁岳山地・神室山地と三方を山に囲まれ、西部は日本海に面しています。
沿岸部の中央に突き出しているのが、火山群を擁する男鹿半島。標高355m、なだらかな稜線を描く寒風山も、3万年以上前から繰り返し起こった火山活動によって形成されました。この山の頂上へと続く県道55号線は、寒風山パノラマラインと呼ばれています。視界を遮るもののない草原のなかを通る、その名の通りの絶景スポット。西側には半島と日本海、東側には八郎潟とその周辺の田園風景が広がっています。緑のなかを走っていくリアライズトレーラーの姿を捉えました。

日本第2位の広大な湖を、20年かけて農業用地に

男鹿半島はかつて日本海に浮かぶ島でしたが、やがて北と南が本土とつながり、八郎潟が誕生しました。1951年からは、農地を増やすために八郎潟の干拓計画がスタート。20年以上かけて工事が進められ、湖の面積の約8割が干拓地となりました。干拓地を横断する中央幹線排水路に架けられた橋を、リアライズトレーラーが渡っていきます。
また海岸沿いに巨大な風車が立ち並んでいるのも、秋田県の特徴。年間を通じて強い風が吹くことから、風力発電施設が点在しています。能代港と秋田港では、2022年末の運転開始に向けて国内初の大型洋上風力発電所も建設中。再生可能エネルギー拡大の主要な柱として、高い期待が寄せられています。

軽量で柾目が美しく、調湿効果にも優れた大館曲げわっぱ

秋田県は天然杉が豊富な土地で、古くから杉の加工品が作られてきました。それが、国の伝統的工芸品に指定されている大館曲げわっぱ。きこりが曲物の器を作ったことにはじまるとされ、平安時代にはすでに作られていたことがわかっています。
撮影を行なったのは、柴田慶信商店。伝統を受け継ぎながら、現代の生活に寄り添うデザインの曲げわっぱを生み出している工房です。まずは高齢樹の天然杉を厚さ約5mmの薄板に製材。それを約80℃のお湯で煮沸して柔らかくし、型に巻き付けて曲げくせをつけていきます。乾燥後につなぎ目を山桜の樹皮で綴じ、底板を入れて磨き上げたら完成。そうやってひとつひとつ手作りされる曲げわっぱは、木肌の風合いが美しく機能性も優れているため、全国から注文が相次いでいます。