茨城IBARAKI

雄大な太平洋を望む、約190kmの海岸線

関東地方の北東を占める茨城県。東部は太平洋に面し、およそ190kmの海岸線が伸びています。そのほぼ中央に位置するのが大洗町。映像に登場する大洗港では、茨城を代表する冬の味覚・あんこうがよく水揚げされます。
水平線から朝日が昇る神々しい風景も、同じく大洗町の海辺に鎮座する大洗磯前神社で撮影しました。856年の創建という由緒ある神社で、戦国時代に社殿が焼失しましたが、江戸時代に入って水戸藩二代藩主である徳川光圀公が再興し、今に至ります。波に洗われる岩礁に見えるのは、神磯の鳥居。大己貴命と少彦名命という2柱の神様が降り立ったという聖地に立っています。

県の西から東にかけては、天然の鮎や鮭が遡上する関東屈指の清流・那珂川が流れています。太平洋へ注ぐ河口の少し手前に架かっているのが海門橋。橋下では、遠洋漁業の大型船が行き来しています。赤いアーチのなかを渡っていくリアライズトレーラーの姿が印象的でした。
また茨城の海岸線は一年を通して安定した強さの風が吹くことから、風力発電の適地として注目されています。なかでも最南端の神栖市内には45基の風力発電施設があり、関東最大規模。映像には、12基の風力発電施設が並ぶ波崎ウインドファームに沿ってリアライズトレーラーが駆け抜けていく様子を収めました。

鉄道の乗客によって全国に広まった茨城の納豆

映像の冒頭から流れるのは、茨城県の名物・納豆がつくられている様子です。「水戸納豆」の名が全国に知られるようになったのは、鉄道が敷設された明治20年代のこと。水戸駅のホームで販売されるようになり、おみやげとして大人気を博しました。汽車の乗客たちによって、茨城の納豆は全国の食卓にのぼるようになったのです。
撮影したのは1948年に日立市で創業して以来、手づくりの「日立納豆」を製造し続けている有限会社菊水食品。大豆がもつ旨味と甘みを最大限引き出すために、季節や天候によって浸漬時間や煮蒸時間、発酵温度などを調節しています。そうしてつくられた納豆は「噛めば噛むほどおいしい」と評判です。