3000m級の名山が連なる日本の屋根

長野県は周りを8つの県に囲まれた内陸県です。県の面積は全国4位の広さですが、その84%は山岳地帯。県の周りを飛騨、木曽、赤石という3つの大山脈が囲み、3000m級の峰が連なることから「日本の屋根」と呼ばれています。
そんな山岳県らしい道のひとつが、ビーナスライン。茅野市の蓼科高原と上田市の美ヶ原高原をつなぐ、全長75.2kmのドライブロードです。沿道には女神山という別名をもち、ビーナスラインの名前の由来にもなった蓼科山をはじめ、白樺湖や霧ヶ峰、八島ヶ原湿原などの絶景スポットが点在。ビロードのような緑のなか、高原へと登っていくリアライズトレーラーの姿を遠景から捉えました。

北アルプス・槍ヶ岳に水源をもつ犀川の流れ

長野県には、周囲の山々から清らかな水が豊富に流れ込んでいます。なかでも名水の地としてよく知られているのが、県の中央部に位置する安曇野市。北アルプスを水源とするいくつもの河川が複合扇状地を作り出しており、1日に70万tもの地下水が湧き出すといわれています。真夏でも15℃以下を保つこの湧水を活かして、古くからわさびの栽培が行われてきました。
映像には北アルプスの槍ヶ岳に源をもち、安曇野市から長野市へと流れ込んで千曲川と合流する犀川と、この川に架かる光橋が登場。橋上から北アルプスの峰々と安曇野を一望できる、抜群のロケーションです。

寒暖差の大きい気候が育む、風味豊かな信州そば

冷涼な気候で火山灰土の多い県内には米や小麦の栽培に向かない土地が多く、代わりにそばが盛んに育てられてきました。とくに朝霧が発生しやすい標高500〜700の高原地帯でとれるものは「霧下そば」と称され、風味が豊かなことで知られています。
県内でも地域によってそばの製法や食べ方は異なりますが、今回は日本三大そばのひとつに数えられる戸隠そばに注目しました。撮影を行なったのは、信州戸隠 そばの実というお店。戸隠産のそばの実を石臼で挽き、一本棒丸伸ばしという伝統的な打ち方でおいしさを引き出しています。麺の水切りをせず、いくつかの小束にしてザルにのせるぼっち盛りという盛り付け方も特徴的。山々の伏流水で洗われ、キュッと引き締められた艶やかなそばが、食欲をそそります。