島根SHIMANE

湖をまたぐ日本最大のコンクリート桁橋

東西に約200km、細長く伸びた島根県。北方は日本海に向かって開けており、海上には沖諸島が浮かんでいます。鳥取県との境に位置する2つの汽水湖・宍道湖と中海は、さまざまな魚や昆虫、水鳥たちを育む自然のゆりかご。1963年から干拓・淡水化事業が行われていましたが、2000年代に入ってすぐに中止され、2005年には世界的に重要な湿地としてラムサール条約に登録されました。
映像に登場する急勾配の橋は、中海をまたいで島根県と鳥取県をつなぐ江島大橋。5千トン級の船が下を通るため、最上部は45mもの高さがあります。テレビCMに「ベタ踏み橋」として取り上げられ、一躍有名になりました。江島大橋から続く道は、中海のなかを走る県道338号線につながっています。

神話の舞台を走るリアライズトレーラー

島根県の出雲地域は、日本神話に記された数多くの神話の舞台です。映像に現れる小島は、出雲大社のほど近くにある稲佐の浜の弁天島。この浜は国譲り、国引きの神話に描かれておりおり、旧暦10月10日には全国八百万の神をお迎えするともいわれています。
また、リアライズトレーラーが駆け抜けていく波打ち際の道・くにびき海岸道路にもご注目を。遠浅の美しい海岸は、国引き神話において「美久我林」と記されています。くにびき海岸道路の全線約11kmが開通したのは、2007年のこと。沿道ではイチジクやブドウなどの農作物が盛んに生産されており、この道路が完成したことでスムーズに出荷されるようになりました。

気品ある佇まいの工芸品・出雲石灯ろう

島根県には海産物や果物など、多くの特産品があります。そのひとつが、宍道町来待地域で産出する来待石。火山噴出物が均質に堆積した凝灰質砂岩で、江戸時代には藩外への持ち出しが藩の許可制とされた「御止石」でした。そしてこの来待石からつくられるのが、国の伝統工芸品に指定されている出雲石灯ろうです。
撮影を行なったのは、明治時代から出雲石灯ろうに携わってきたという株式会社勝部石材店。原石から柔らかな曲線を削り出していく過程や、パーツを組み合わせて接合する様子を捉えました。精巧な加工によって完成した灯ろうは、全体の調和が取れた優美で気品のある姿。庭園で時を経るほどに苔がつき、その趣きを増していきます。