40年以上も全国1位を維持する「ものづくり県」

愛知県は日本の中央部に位置しています。日本有数の工業県であり、製造品出荷額は1977年以来、40年以上も全国1位をキープ。県庁所在地である名古屋は、東京圏、大阪圏と並ぶ日本三大都市圏の中心地です。
かつて東海道五十三次の宿場町として栄えた名古屋は、現在も交通の要所。東京につながる東名高速、兵庫県へと至る名神高速、東海地方と北陸地方を結ぶ東海北陸自動車道など、日本各地につながる高速道路のネットワークが形成されています。
リアライズトレーラーが走っていく白い主塔の斜張橋は、通称「名港トリトン」。名古屋港を横切る伊勢湾岸道路の一部で、3つの大橋が連なり、港のシンボルとして印象的な景観を生み出しています。

海路と陸路が直結し、中部の製造業を支える

陸路だけでなく空路・海路も充実しており、自動車、工作機械、航空宇宙、鉄鋼、電気製品など、中部地方の「ものづくり産業」を支える重要な物流拠点となっています。
なかでも名古屋港は、総取扱貨物量、貿易黒字額がともに日本一を誇る国際貿易港です。臨港地区の面積も日本最大であり、世界約170の国・地域と接続。充実した幹線道路ネットワークとも直結しており、海陸一貫輸送を可能にしています。
また三河港の東に位置する三河港は、周辺に自動車関連企業が集まる世界屈指の国際自動車港湾。映像では、三河港の臨港道である県道2号愛知渥美線、通称「ベイブリッジウェイ」を走るリアライズトレーラの姿を捉えました。背景には豊橋市の工業地帯が広がっています。

愛知を代表する繊維産業のひとつ、知多織物

愛知県の産業の歴史を見ていくと、繊維産業が大きな役割を果たしたことがわかります。明治時代、県内で自動織機が開発されたことにより、繊維産業は一気に工業化。今では県を代表する産業である自動車製造も、もともとは自動織機の製造会社で始められました。
県内に集積する多彩な繊維関連産業のひとつに、知多半島の知多織物があります。白い無地の綿織物であり、もともと農家の副業として営まれていました。18世紀後半には晒し技術を取り入れ、それまでにない白さを実現。廻船によって江戸にも盛んに送られるようになり、綿織物の最高級品として珍重されるようになりました。
現在も知多半島の各地では、シャトル織機の軽やかな音が響いています。撮影を行なったのは、新美株式会社。職人が織機に経糸を掛ける姿や、緯糸をセットしたシャトルが経糸の間を行き交いながら、上質な白い反物を織上げていく様子を捉えました。